投げ銭は贈与?税金は?

投げ銭(スーパーチャット)は贈与でしょうか?税金はかかるのでしょうか?その疑問に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所がお答えします。

投げ銭(スーパーチャット)とは

投げ銭という言葉は、もともと路上パフォーマーなどのパフォーマンスに対して、観客がパフォーマー側が準備した集金箱などに金銭を投げ入れる行為のことを指していました。
映画などで大道芸人が演技が終わった後にシルクハットなどを観客に差し出してそこに観客からお金を入れてもらう場面を見たことがあるのではないでしょうか?

しかし、インターネットが普及した現在においては、「投げ銭」の意味も変化しています。
今回取り上げる「投げ銭」とは、インターネットでの配信などに対して、視聴者やファンなどがオンラインで送金する行為を言います。
YouTubeではスーパーチャット(スパチャ)と言われていますが、これも代表的な「投げ銭」と言えるでしょう。
「投げ銭」のシステムは、オンライン上で金銭を送金する以外にも、有料ギフトを購入し送るなどの方法もあり様々ですが、いずれも配信者を金銭面で支援しているという面で共通しています。

投げ銭は贈与か?

投げ銭は贈与でしょうか?
贈与とは、無償で金銭等を譲渡する(譲り受ける)行為をいいます。
そのため、インターネット配信をしている人が何もパフォーマンスなどをしていないのに、投げ銭をされた場合には贈与に当たるといえるかもしれません。

しかし、ほとんどの場合、なにがしかのパフォーマンスを配信し、そのパフォーマンスに対して投げ銭が行われています。
そうすると、対価性が認められることになり、もはや「贈与」ということはできなくなります。
この場合、投げ銭で得た利益は「所得」として申告する必要があります。

贈与か所得かは納税の段階で非常に大きな違いが出てきます。
「贈与」の場合、贈与税の申告が必要となりますが、1年間に得た贈与の額が110万円を超えていなければ申告する必要がありません。
一方「所得」の場合には、基本的に20万円を超えている場合には確定申告が必要となります。

投げ銭の所得は何所得か?

投げ銭が「所得」になるとして、その所得の種類が問題となります。
すなわち「事業所得」か「雑所得」かです。

この点、基本的には「事業所得となると考えられます。
たとえば、YouTuberの方などは動画配信を仕事として行っており、その動画配信を通じて「投げ銭」を得ていることになるので、仕事=事業によって得た収入と考えられます。
つまり、なにがしかの事業若しくは反復継続性のある行為によって得た利益は「事業所得」となると考えられます。

一方、一般の方が趣味でアップした動画などについては、「雑所得」となる可能性の方が高いと言えます。
反復継続性がなかったり、その行為によって利益を得ることを目的としているとはいえないからです。

投げ銭の確定申告

事業所得に当たる場合、総収入から経費や控除額を引いたものが課税対象の金額となります。

ここで、青色申告か白色申告かによって、控除額が異なります。
たとえば、個人事業主で開業届を提出し青色申告承認申請をしている場合、青色申告をすることができます。
青色申告では最高55万円(令和元年以前は65万円)を控除することができます。

投げ銭は履歴が残るため、税務調査が入ると申告漏れが発覚しやすいといえます。
投げ銭が贈与になるのか事業所得になるのかわからない、所得になるのに贈与として申告していて心配という方は専門家に相談しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では無料の法律相談を実施していますので、税務調査・査察調査が入ったという方は一度お問い合わせください。

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