脱税した場合の社会保険料

社会保険とは

社会保険とは被保険者の生活を守る制度で、万が一の場合には給付を行う制度です。

社会保険には、年金、健康保険、介護保険、雇用保険、労災保険といった種類があります。なお、年金、健康保険、介護保険の3つを指して「社会保険」、雇用保険と労災保険の2つを指して「労働保険」という言い方をされる場合もあります。

社会保険は、法人であれば加入を義務付けられており、たとえ従業員がおらず社長のみが法人に所属しているとしても社長自身が加入しなければなりません。

法人ではない個人事業所でも、従業員を5人以上雇っている場合には、一部の業種を除いて加入義務があります。

社会保険に未加入の場合、刑事罰が法定されています。例えば健康保険の場合、届出をしなかったり保険料の支払いをしなかったりすると「6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金」(健康保険法208条)が科せられることになります。

社会保険料

社会保険料は、「標準報酬月額」をもとに算定されることになります。

「標準報酬月額」とは、被保険者である従業員が受ける報酬の月額を、区切りのよい幅で区分した等級で表したもので、健康保険の場合、第1級から第50級までに区分されています。

標準報酬月額のベースとなるのは、4~6月の3か月間の報酬で、報酬には基本給や歩合給のほか、役付手当、勤務地手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、残業手当等、労働の対償として事業所から現金または現物で支給されるものが含まれていますが、祝い金や見舞金、出張旅費や退職金など臨時で支給される手当は含まれません。

所得税の場合には非課税とされる部分も報酬に含まれるため、注意が必要です。

社会保険料は、各社会保険の種類に応じて「標準報酬月額」×「各保険の保険料率」という計算式で求めることになりますが、健康保険については、全国健康保険協会であれば都道府県ごと、健康保険組合であれば組合ごとに保険料率が異なります。

社会保険料未払いの場合

社会保険料は、翌月徴収・翌月納付となっています。

社会保険料を滞納すると、督促状(納付書)が送られてきます。

督促状には納付期限が記載されており、納付期限までに社会保険料を完納していないと、納付期限の翌月から延滞金が発生します。

延滞金の金額は、「滞納額×延滞金利率÷365日×延滞金の発生日数」という計算式によって求められます。

ちなみに、そもそも社会保険に未加入で、厚生労働省からの調査が入った場合には、最大で過去2年分にさかのぼって、全従業員の負担分も含め社会保険料の全額を事業者が支払わなければならないことになっています。

また、未加入期間の社会保険料(最大で過去2年分)の10%にあたる追徴金も課せられることになります。

脱税との関係

上述したように、社会保険料の算定には「標準報酬月額」が用いられており、これは、所得に応じて計算されるものです。

そうすると、脱税をしている場合には、所得を隠しているか過少に申告していることになるため、社会保険料も実際よりも低く算定されていることになります。

そのため、脱税が発覚すると、税金に関して加算税が課せられるだけでなく、未払い保険料や延滞金の支払いが必要になります。

また、そもそも社会保険に加入しなければならないのに所得隠しをする関係で社会保険に未加入であった場合には、刑事罰を科せられる可能性があります。

さらに、社会保険料の誤りは所得税の算定にも影響します。なぜならば社会保険料控除の額が変わってくるためです。

このように、税と社会保険料とは密接に関係しているため、いずれか一方のみの対応では十分とは言えません。

脱税に関与してしまった場合、税金に関することだけではなく、社会保険に関する対応も必要になりますから、法律に精通した弁護士に相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、税や社会保険に関するご相談は無料で承っています。刑事事件に発展する可能性もあるので、お早めにご相談ください。

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