有罪になるとどうなるのか

1 はじめに

有罪になるとどうなるのか

このページでは脱税事件において有罪になるとどうなるのかについて詳しく解説していきます。

脱税事件では脱税を行った個人だけでなく、脱税をしていた法人も同じく処罰を受ける場合があると定められているので(両罰規定)、個人と法人それぞれに対する影響について解説していきます。

2 個人が有罪になった場合の影響

当然個人が執行猶予のつかない実刑判決を受けた場合には刑務所に入ることになるので人の生活やその人が所属していた会社に影響が出ることは明らかです。

しかしながら仮に執行猶予付きの判決を受け、刑務所に行かなくてよくなったとしても悪影響は残ります。

その代表的な悪影響の例が、執行猶予期間中に取締役を務める事ができなくなるということです。

会社法331条では次のように定められています

三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(中略)又は金融商品取引法(中略)民事再生法(中略)外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(中略)会社更生法(中略)破産法(中略)の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者

四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)

仮に執行猶予付きであっても、懲役刑を受けた場合には「禁錮以上の刑に処せられ」たことに該当します。

したがって執行猶予期間中には代表取締役を含め取締役に就任することはできず、判決時に取締役を務めていた場合には退任しなければならなくなります。

脱税事件では自身が経営している会社での脱税が問題になることが多くありますので、代表者である本人が刑罰を受けることで実質的に会社の経営の継続が困難になることが多くあります。

3 法人が有罪になった場合の影響

法人には身体を拘束するような懲役刑が観念されないので科される可能性があるのは専ら罰金刑になります。

では法人に罰金刑が科された場合どのような不利益があるのでしょうか。

①罰金支払いによる金銭的負担がある

法人に対する罰金刑は、例えば法人税法違反であれば上限が1000万円とされていますが、免れた税金の額等の事情によってはさらに高額の罰金刑が科されます(法人税法159条1項1号)。

さらに、罰金は、法人税上、経費とすることが出来ませんから、支払った罰金については、丸々損することになります。

このように、法人に罰金刑が科されることは、法人にとって大きな損失であり、これにより法人の継続が困難になるリスクが生じます。

②許可の取り消しを受ける

法人が、刑罰を科されると、それまで受けていた許可等について、欠格要件に該当することになり、許可が取り消されることにもなりかねません。

そうなると、それまで許可を取って続けていた事業について、続けることが出来なくなってしまいます。これにより、収益状況が悪化し、法人の継続が困難になるリスクが生じます。

③報道により企業イメージが損なわれる

刑事事件では、事件の大きさ、事件を起こした人の知名度等から、報道されるかされないかが決まってきます。

この点、法人処罰が見込まれる事件の場合では、多くの場合社会的影響が大きいこともあり、報道される可能性は、それ以外のものに比べて、高くなります。

また、現代のインターネット社会では、インターネット上にニュースが残ることで、継続的に法人の評価が下がることにもなりかねません。

報道の回避については「報道されたくない」に詳しく解説しています。

4 刑罰による影響を避けるためには

脱税事件において刑罰による影響を避けるためには、査察調査の段階であれば刑事告発を避ける(「脱税事件と告発」のページも参照)、既に刑事告発されてしまったのであれば検察官と交渉し不起訴処分を獲得する(「不起訴にしたい」のページも参照)、既に起訴されており事実関係に争いがあるのであれば無罪を争っていく(「無罪を勝ち取りたい」のページも参照)など、それぞれの段階で適切な対応が必要になってきます。

脱税の問題で何かお困りの際にはできるだけ早く、脱税事件に精通した弁護士に相談することをお勧めします。

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