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相続税がかかる場合や、相続税の計算方法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が2回に分けて解説します。
第1回目は、相続税とは何か、相続税が課される財産にはどのようなものがあるかについて解説します。
相続税とは
相続税とは、人が亡くなった場合に、その亡くなった人の財産を相続した人に対して課せられる税金です。
亡くなった人のことを「被相続人」、亡くなった人の財産を相続した人を「相続人」といいます。
相続人の範囲について、配偶者(被相続人の夫又は妻)は常に相続人となります。
被相続人の子も相続人となります。
被相続人に子がいない場合には、父母(父母が亡くなっており、祖父母が健在である場合には祖父母)が配偶者とともに相続人になります。
被相続人に子がなく、父母・祖父母も亡くなっている場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。
相続税の申告と納税
相続税の申告をする必要がある場合には、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月目の日までに、被相続人の住所地を所轄する税務署に相続税の申告書を提出するとともに、納付税額が算出される場合には、納税しなければなりません。
申告書の提出期限に遅れて申告と納税をした場合には、原則として加算税及び延滞税がかかります。
相続税が課される財産
①被相続人が亡くなった時点において所有していた財産
土地、建物、株式などの有価証券、預貯金、現金などのほか、金銭に見積もることができるすべての財産が相続税の課税対象となります。
そのため、日本国内に所在する財産のほか、日本国外に所在する財産も相続税の課税対象となります。
なお、財産の名義にかかわらず、被相続人の財産で家族の名義となっているものなども相続税の課税対象となります。
②みなし相続財産
被相続人の死亡に伴い支払われる「生命保険金」や「退職金」などは、相続などによって取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。
ただし、「生命保険金」や「退職金」のうち、一定の金額までは非課税となります。
※一定の金額の算定方法
500万円×法定相続人の数×(その相続人の取得した保険金等の合計額÷相続人全員の取得した保険金等の合計額)
③被相続人から取得した相続時精算課税適用財産
被相続人から生前に贈与を受け、贈与税の申告の際に相続時精算課税を適用していた場合、その財産は相続税の課税対象となります。
この場合、相続開始の時の価額ではなく、贈与の時の価額を相続税の課税価格に加算します。
④被相続人から相続開始前3年以内に取得した暦年課税適用財産
被相続人から相続などによって財産を取得した人が、被相続人が亡くなる前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産は、相続税の課税対象となります。
この場合、相続開始の時の価額ではなく、贈与の時の価額を相続税の課税価格に加算します。
~②~に続く