このページの目次
定額減税について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
1制度の概要
定額減税は、一定額を所得税額から控除するという制度です。これは、物価高騰による国民生活への影響を緩和し、経済活動を活性化させることを目的としています。所得税法、地方税法が改正され、令和6年6月から実施されることとなりました。
2対象者、減税額
年間所得が、一定額(原則1805万円以下、給与収入のみの場合2000万円以下)以下の個人を対象としています。団体や法人は対象となりません。
減税額は、納税者及びその配偶者または扶養親族1人につき、原則として年間4万円(所得税3万円、住民税1万円)です。
3制度の趣旨はおおむね3つ
①物価高騰対策: 近年、世界的な物価高騰が続いており、家計への負担が増大していま
す。定額減税は、この物価高騰による家計への圧迫を軽減し、国民生活の安定に寄与
することを目的としています。
②経済活性化: 税負担を軽減することで、個人の消費意欲を高め、経済活動を活性化さ
せる効果が期待されています。
③所得格差の是正: 低所得層ほど、物価高騰の影響を強く受けやすいため、定額減税
は、所得格差の是正にも貢献すると考えられています。
4いつまで継続するのか
では、定額減税はいつまで続くのでしょうか。
現時点では、定額減税の制度がいつまで継続されるのかは明確にされていません。一般的に、このような税制上の優遇措置は、経済状況や社会情勢の変化に応じて、その期間や対象が変更されることがあります。
5家計への影響
定額減税は、一定の所得以下の個人に対して、所得税額が減額されるため、手取り額が増えることになります。これにより、消費意欲が高まり、経済活動が活性化することが期待されています。
国民経済の安定と好況の維持が期待されることから、家計へ潤いを与え生活への活力が生じやすくなります。
6今後の展望
経済的弱者(低所得者層)への支援を強化し、所得格差を是正することが実質的な社会生活上の平等実現にとり重要であり、国民への給付行政の円滑化を図ること、そのため、課税行政が一般に法律による必要があるところ、生き物といわれる国の経済情勢や社会状況の変化に応じて、迅速な立法等による税制の柔軟な運用の要請があることとを両立し、他方で税収減による財政面との均衡点を模索するといった国政上の現実的問題
をクリアする政策の実現が急務となります。
7一提言
国民一般にとり、減税は歓迎すべき制度といえるでしょう。他方、経済のグローバル化が急速に進み、一般家庭の家計においても、ドル円の為替レートの影響を受ける昨今において、今後は、国際経済の流れに乗り、税制をも踏まえた上手な所得の管理が必要となることでしょう。皆様の家庭に定額減税の恩恵がもたらされんことを。