【ブロックチェーン取引の課税リスクと刑事化の落とし穴】について弁護士が解説します!

ブロックチェーン取引の課税リスクと刑事化の落とし穴

はじめに

暗号資産の売買や交換、NFTの取引は、思った以上に課税関係が複雑です。
計算方法や保存書類を誤ると、過少申告無申告とみなされ、加算税延滞税の対象になってしまいます。それだけでなく、悪質過少申告無申告と評価されれば、査察や告発など刑事手続きに発展するおそれもあります。ブロックチェーン取引の課税リスクと刑事化の落とし穴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

会社員X(35歳・名古屋市在住)は、国内外の取引所3社を併用し、さらにDeFiでレンディング報酬とNFT転売益を得ていました。
Xは暗号資産同士の交換は非課税だと誤信し、帳簿も作らず、ある年分の確定申告をしていませんでした。
翌年、銀行口座への大口入金と取引所からの情報提供が契機となり、税務署からお尋ねが届きました。
取引履歴はCSVが混在し、手作業で集計したが売買と交換、NFTガス代の計上漏れが判明しました。
結果、無申告加算税延滞税の賦課が視野に入り、反面調査の結果次第では重加算税査察の対象となる可能性が示されました。
Xは慌てて過去データの復元と修正申告を試みたが、DeFiウォレットの入出金整合がつかず、説明不能な差額が残ってしまいました。
(事例はフィクションであり、実在の依頼者、その他個人、会社、団体とは一切関係ありません。)

暗号資産課税の基本

暗号資産はブロックチェーン上の価値記録です。
売却、他の暗号資産への交換、商品購入で利益が出ると課税されます。ステーキングやマイニング等で得たトークンも原則課税です。
課税の時期は売却や引渡しの年分が原則であり、個人の所得区分は原則「雑所得」です。ただし、収入が三百万円超で帳簿保存がある等の事情では事業所得や業務に係る雑所得となることがあります。

課税漏れが発覚する理由

情報の露見は、複数のルートで生じます。
国内の暗号資産交換業者は本人確認と取引記録の保存義務があり、当局の照会に応じる体制です。
疑わしい取引の届出やブロックチェーン分析により、ミキサー経由等の移転も把握され得ます。そして、 銀行の大口入出金やカード決済、送金記録から、購入や換金の痕跡が浮上します。それだけでなく、海外口座や海外取引所の利用は、租税条約に基づく情報交換により把握されることがあります。

刑事手続きに移行する場合

税務調査で誤りが見つかると、修正申告により「過少申告加算税」(原則10%、多額なら15%)が賦課されます。 ただし、調査の事前通知前に自主是正すれば、過少申告加算税は不適用です。 期限内に申告していないと「無申告加算税」が課され、事前通知前10%、通知後15%、さらに納付税額が増えると20〜30%へ上がります。
延滞税も併科されます。

また、帳簿の不提出や売上の大幅不記載があると加重措置の対象となり、仮装・隠蔽があると「重加算税」(35〜40%)の対象になります。
事案が悪質と判断されると、査察に移行し、検察へ告発され、起訴の可否が検討されます。 令和6年度の査察は告発率65.3%と公表されています。
したがって、初動で資料復元と説明方針を整えることが重要です。

最後に

上に挙げた通り、暗号資産の売買や交換、NFTの取引は、思った以上に課税関係が複雑です。正しい知識を有していないのにもかかわらず、我流で確定申告をしてしまうと、上に挙げた事例のように、刑事事件となってしまう可能性が出てきてしまします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を中心として扱っていますが、税法についても知識のある弁護士がそろっています。初回の相談は無料ですので、一度ご相談にお越しください。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら