医師が知っておきたい税金の基本 〜勤務医・開業医それぞれのポイント〜

医者

医師として働くうえで避けて通れないのが税金です。勤務医か開業医かによって納める税金の種類や節税の考え方が大きく変わります。そのため、自分の立場を理解して早めに対策を立てておくことが大切です。これから、医師の税金の基本について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

1 勤務医の税金:給与所得者の仕組み

勤務医の場合、基本的には給与所得者として病院から給与を受け取り、源泉徴収によって税金があらかじめ差し引かれることが通常です。

主な税金は次の通りです。
所得税:給与額や控除額に応じて課税。年末調整で精算されます。
住民税:前年の所得に基づき、翌年の6月から12か月分を支払います。
社会保険料:健康保険・厚生年金・雇用保険などが自動的に差し引かれます。

副業(当直バイトや講演料など)をしている場合は、確定申告が必要になることがあります。勤務している病院等から貰っている給料以外に、年間20万円を超える所得があると申告義務が生じるため注意が必要です。

2 開業医の税金:事業所得者としての責任

一方、開業医は病院勤務とは異なり、事業所得者として自ら税金を計算して納付することが通常です。税理士に依頼する方が安心ですが、医師自身も基本構造を理解しておくことが重要です。

主な税金は以下の通りです。
所得税(事業所得の場合):収入 − 経費 = 事業所得 に対して課税。青色申告特別控除(最大65万円)が使えます。
住民税および事業税:都道府県・市区町村に納付。
消費税:課税売上が1,000万円を超えると翌々年から課税対象になります。
社会保険料:国民健康保険・国民年金・医師国保など、基本的には自身で加入・支払いを行います。

開業医にとって節税の鍵は「経費の管理」と「青色申告の活用」です。医療機器費用やスタッフ給与、学会参加費など、業務に関連する支出はすべて経費対象になります。

3 申告ミスによるペナルティについて

もし、自身で申告を行うことに自信のない場合には、税理士や弁護士に依頼することをお勧めします。

もし、正しく申告できていない場合には、様々なペナルティが課される可能性があります。

①無申告加算税

収入があるにも関わらず、確定申告をしていなかった場合には、無申告加算税が課されることになります。

②重加算税

確定申告をしておらず、収入があるなどの重要な事実の一部を仮装、隠ぺいした場合には、無申告加算税にかえて重加算税が課されます。

③延滞税

確定申告の期限までに申告していない場合、税務調査等の結果、税金納付の期限を決められて、その日までに納税をしなければならなくなります。
この場合、納付した日までの延滞税を別途支払わなければならなくなります。

④刑事罰

確定申告をしていない金額が高額であったり悪質性が高いと考えられる場合には、告発をされて刑事事件化する場合があります。
この場合には、捜査を受けることになりさらには刑事裁判を受けて前科が付いてしまうことになります。

最後に

バレない等と考えていると、いざ税務調査などが入った時に、上記のような重い処分を受けてしまう可能性があります。
確定申告をしていない場合には、早めに確定申告をしましょう。
どうしても良いか分からない場合には、いずれにしても、税理士や弁護士に早めに相談されることをお勧めします。

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