
医師として働く中で、確定申告は避けて通れない重要な業務のひとつです。特に開業医やフリーランスの医師の場合、「必要経費」を正しく理解できないと、正しい税申告ができないことになります。今回は、医師の確定申告における必要経費について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
このページの目次
1 必要経費とは?
必要経費とは、「収入を得るために直接必要だった支出」のことを指します。医療行為や診療所の運営に関係する費用であれば、基本的に経費として計上可能です。
2 医師が計上できる主な必要経費
① 医療機器・備品費
診療に必要な医療機器(聴診器、超音波装置など)やパソコン、プリンターなどは経費になります。
ただし、高額なものは減価償却が必要となりますので注意が必要です。
② 学会・研修費
学会参加費や交通費、宿泊費などはスキル維持・向上のための支出として経費にできます。
③ 書籍・情報収集費
医学書や専門誌、オンライン教材なども対象です。
④ 交通費・出張費
往診や出張診療、学会参加の移動費用は経費として認められます。
⑤ 事務所・クリニック関連費
家賃、光熱費、通信費など。自宅兼事務所の場合は按分が必要です。
⑥ 人件費
看護師や事務スタッフへの給与、社会保険料なども重要な経費です。
⑦ 保険料
医師賠償責任保険など、業務に関連する保険は経費になります。
3 注意すべきポイント
・プライベート(いわゆる仕事と関係のない消費)との区別を明確にする
・領収書や記録を必ず保管する(保管義務があるためです)
・高額資産は一括経費にできない場合がある
4 よくあるNG例
・家族旅行を「学会」として計上
・私用スマホ料金を全額経費化
・仕事と関係のない飲食費の計上
これらは税務調査で否認される可能性があるため注意が必要です。
5 まとめ
必要経費を正しく理解し、適切に申告することは非常に重要です。
もし、自身で申告を行うことに自信のない場合には、税理士や弁護士に依頼することをお勧めします。
もし、正しく申告できていない場合には、様々なペナルティが課される可能性があります。
①無申告加算税
収入があるにも関わらず、確定申告をしていなかった場合には、無申告加算税が課されることになります。
②重加算税
確定申告をしておらず、収入があるなどの重要な事実の一部を仮装、隠ぺいした場合には、無申告加算税にかえて重加算税が課されます。
③延滞税
確定申告の期限までに申告していない場合、税務調査等の結果、税金納付の期限を決められて、その日までに納税をしなければならなくなります。
この場合、納付した日までの延滞税を別途支払わなければならなくなります。
④刑事罰
確定申告をしていない金額が高額であったり悪質性が高いと考えられる場合には、告発をされて刑事事件化する場合があります。
この場合には、捜査を受けることになりさらには刑事裁判を受けて前科が付いてしまうことおそれがあります。
最後に
バレない等と考えていると、いざ税務調査などが入った時に、上記のような重い処分を受けてしまう可能性があります。
確定申告をしていない場合には、早めに確定申告をしましょう。
どうしても良いか分からない場合には、いずれにしても、税理士や弁護士に早めに相談されることをお勧めします。
