このページの目次
1 脱税事件の全体像
脱税事件は大まかに言って次のような流れで進んでいきます。
2 脱税事件の流れの特徴
刑事事件として扱われる脱税事件の流れの大きな特徴は税務署や国税局による「調査」から手続きが始まっていく点です。これは多くの刑事事件が警察による「捜査」から始まることと異なっています。
それぞれの各段階の詳しい内容や対処方法については後のページで詳しく解説していきますが、一般的には国税局の査察調査がなされたもののうち検察庁に告発された事件が検察官による捜査が行われます。
そして検察庁で捜査されたもののうち、検察官が起訴すると判断した事件について裁判所で裁判が行われ、有罪判決が確定すると前科が付くことになります。
この一連の流れの中で国税局の査察調査については突然行われることがほとんどです。さらに査察調査については検察庁への告発を前提として行われるのが一般的です。
そして検察庁に脱税事件として告発されてしまえば、刑事事件として扱われて、事案によっては逮捕され身柄を拘束されるおそれや、裁判を受けて前科がつくおそれがあります。
したがって、まずは査察調査が入ったタイミングで告発されないように、調査員に対して適切に対応、主張を行っていくことが重要になります。査察調査に弁護士が関与する意義については後のページで詳しく解説します。
3 脱税事件の各段階における弁護活動
各段階における弁護士が行える詳しい活動については各ページで説明しますが、このページでは簡単に弁護活動の概略を説明します。
まず査察調査に立ち会うことができた場合には、調査をする職員に対して本当に脱税に当たるのか、告発するべき事案なのかについて職員に対して主張していくことが考えられます。
次に告発があった場合には逮捕を避けるために検察官と交渉する、不起訴になるように検察官と交渉するなどの活動が考えられます。
最後に起訴された場合には、脱税の成立を争う場合には裁判官に対し脱税に当たらないことを主張し、事実関係に争いがない場合にはより軽い処罰(執行猶予付きの判決など)で済むように必要な主張を行っていきます。
このように脱税事件の各段階において弁護士の活動は非常に重要なものになります、事実関係に争いがあるかないか、脱税額が高額かどうかにかかわらず、まずは脱税事件に関与している又は脱税の疑いがかけられていると分かった段階で、なるべく早く法律のプロである弁護士に相談することをおすすめします。