このページの目次
1 はじめに
ここまではまさに脱税を疑われている当事者になった場合を前提に各場面の解説を行ってきました。
しかしながら時には、ご自身の会社の取引先が脱税を疑われていることを知らされる場面があるかもしれません。
その際には、ご自身の会社についても脱税が疑われている会社の取引先として税務調査が行われる可能性があります(反面調査)。
2 反面調査が行われる可能性とのその対応
反面調査については「税務調査について」のページで詳しく説明していますが、ご自身の会社の取引先が税務調査の対象となった場合にはその関係先として、ご自身の会社も税務調査を受ける可能性があります。
特に取引先においてご自身の会社との取引を示す関係書類に紛失があった場合などには事実関係の確認のために反面調査を実施する必要性が高まり、また悪質性が疑われる場合には脱税の証拠隠滅が疑われ、ご自身の会社に反面調査が実施される可能性が高まります。
仮に反面調査を実施されることになった場合には、「税務調査と取調べの違い」のページで詳しく解説したように原則として調査を拒絶することはできず、明らかに不要な調査であるなどの正当な理由がないにもかかわらず拒絶した場合には罰則を科されるおそれもあります。
3 弁護士に相談しましょう
調査においては調査員からの質問に適切に受け答えをする必要があります。
ここでの受け答えで不審に感じさせるようなことがあれば取引先と結託して脱税を行っていた共犯と疑われるおそれもあります。
そこで取引先が税務調査の対象となっていることを聞いた場合には(もちろん口裏合わせなどの不正行為は決してしてはいけません)、早期に弁護士に相談して調査に備えることが有用であるといえます。
また調べられるであろう帳簿や契約関係の書類についてはきちんとある可かどうかを確認し調査員に提示できるように準備しておくことが無用な調査や疑いを避けるためには重要となります。
当然ですが書類の破棄などは証拠隠滅行為にあたるので決してしないでください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では税に関する実務、刑事事件の双方に精通した弁護士が所属しています。
取引先が税務調査を受けて脱税が疑われている様子であれば、今後の対応や展望について是非一度ご相談ください。