【制度解説】青色申告制度

青色申告制度について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

1 青色申告とは

青色申告とは、税務署長の承認を受けて、青色の申告書を用いて行う納税申告のことをいいます。
各事業年度の所得に対する法人税や不動産所得・事業所得または山林所得を生ずる業務を行う個人の所得税などについて認められています。
青色申告は、帳簿書類を基礎とした正確な申告を勧めるための制度であり、青色申告を行うことに対する特典が用意されています。

2 青色申告における特典

青色申告を行うことによって享受できる特典には、次のようなものがあります。
青色申告を行った者に対しては、青色申告特別控除という制度が設けられており、簡単にいえば、支払うべき税金を減らすことができます。
また、所得税法・法人税法および租税特別措置法の規定の多くは、青色申告の場合に限って適用されることになっています。
こうしたことと同様に、青色申告と白色申告(通常の納税申告)を通じて適用される措置についても、青色申告を行った者により多くの利益が与えられているものもあります。
つまり、青色申告を行った者だけが税制上の優遇措置を受けることができるとされています。
その他、青色申告に対し、更正(間違った申告内容を正すことです)が行われる場合、推計によって行うことができないといった違いもあります。

3 青色申告を行うためには

先ほども少し説明しましたが、青色申告を行うためには所轄税務署長の承認を受ける必要があります。
この承認を受けようとする者は、一定の事項を記載した申告書を税務署長に提出する必要があります。

4 青色申告の承認の取消し

青色申告を行うために上記の承認を得たとしても、一定の事実が存在する場合には、税務署長は、その承認を取り消すことができるとされています(所得税法150条1項、法人税法127条1項)。
その一定の事実とは、
その年における帳簿書類の備え付け、記録または保存が財務省令で定めることころ、または電子帳簿保存法の関係規定にかかる財務省令で定めるところによって行われていないこと
その年における帳簿書類について税務署長の指示に従わなかったこと
その年における帳簿書類に取引の全部または一部を隠蔽しまたは仮想して記載・記録し、その他その記載・記録事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由があること
確定申告書をその提出期限までに提出しなかったこと
連結納税の承認取消(④、⑤については法人税法のみ)
が挙げられます。
なお、現金売上の一部等を除外した帳簿書類を作成した上で内容虚偽の青色申告書を提出し、法定納期限までに納付すべき税の一部を納付しなかった場合において、青色申告承認処分が過去に遡って取り消され、先ほど説明した特典がなかったもの(たとえば、青色申告控除が受けられなくなるなど)として、その分についても納付すべき税額に含まれるかが問題となった事案において、判例は、その部分についても納付すべき税額に含まれるとしています(最高裁昭和49年9月20日判決・刑集28巻6号291頁)。
過去に遡って、その分の税金を納める必要があるとすれば、その金額は高額になる可能性も十分あります。
税務調査を受け、結局、青色申告の承認が取り消される可能性が出てしまった場合には、少しでも負担を減らすことができる道を模索する必要があります。
また、税務調査の結果、脱税しているとされた場合、その金額などのよっては、刑事責任を問われる可能性も出てきます。

5 最後に

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、脱税事件に強い弁護士が所属し、所得税法違反、法人税法違反など多数の事件を取り扱っています。税務調査を受けた方は、初回の相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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