不正軽油は脱税!

不正軽油について、なぜ脱税にあたるのか、どのような罰則があるのかについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

不正軽油とは

不正軽油とは、都道府県の承認を受けずに軽油に灯油や重油等を混ぜた油などをいいます。
不正軽油は、製造することや販売することはもとより、不正軽油と知って購入することや使用することも禁止されており、罰則があります。
不正軽油は脱税行為であるだけでなく、大気汚染の原因となったり、人体への悪影響を及ぼしたり、石油製品販売業・運輸業・建設業等の公正な市場競争を阻害したり、エンジンの不具合・損傷の原因となったりするため、各都道府県では抜き打ち調査を実施したりするなど、厳しく規制しています。

不正軽油は脱税目的

不正軽油は脱税目的で製造販売されています。
なぜ脱税になるのでしょうか。

軽油の引き取り、販売、消費した場合には、「軽油引取税」を納税する必要があります。
軽油引取税は、地方税の一種で、1キロリットル当たり32,100円の税率が定められています。
軽油の販売業者は、軽油の元売り業者から軽油を引き取る際に引き取った軽油の量に応じた軽油引取税に当たる金額を元売り業者に支払う必要があり、元売り業者が毎月末日までに前月分を取りまとめて税務署に申告し納税することになります。
軽油販売業者は、販売する軽油に軽油引取税分を上乗せした金額で消費者に販売していきます。

そこで、軽油販売業者は、引き取った軽油に軽油引取税のかからない重油などを混ぜた不正軽油を製造し、不正軽油を「軽油」として販売する際に軽油引取税を全量に適用した上乗せした金額で販売することにより、混ぜた重油分にかかる軽油引取税額分について利益を受けることができます。
この方法により、本来であれば、納めるべき軽油引取税を免れているということができます。

不正軽油に関する罰則

不正軽油に関しては様々な罰則が設けられています。
軽油引取税の脱税 10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金
②混和軽油の製造等の承認を受ける義務違反 10年以下の懲役又は1000mン円以下の罰金(法人併科あり)
不正軽油と知って保管又は運搬、販売、購入した場合 3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(法人併科あり)
④不正軽油に使われると知って原材料・薬品・資金・土地・建物・車両・機械等を提供、運搬した場合 7年以下の懲役又は700万円以下の罰金(法人併科あり)

不正軽油を製造販売した場合には、脱税としての刑事罰を受けるだけでなく、その他の罰則によっても処罰を受ける可能性があります。
また、不正軽油と知って購入した場合にも罪に問われることになりますので、安いからといって安易に不正軽油に手を出さないようにしましょう。

不正軽油に関係してしまったら

不正軽油については、各都道府県が抜き打ち調査を実施したり、啓発活動を実施するなど積極的に撲滅に動いている事案です。
不正軽油に関係してしまった場合には、刑事事件に発展する可能性も高いので、税金関係だけではなく刑事事件全般に強い専門家に早急に相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件を中心に扱っている事務所ですので、不正軽油に関しても丁寧にサポート差し上げます。

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