脱税して逮捕されたら勾留を回避できるのか

逮捕

脱税して逮捕された場合において、その後、勾留を回避することができるのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

1 逮捕後の流れ

脱税事件に限らず、逮捕された場合、釈放されない限り、検察庁、裁判所での手続があった後、勾留という手続に入ります。
起訴される前の段階において、犯罪の嫌疑を掛けられた人は被疑者と呼ばれますが、この段階での勾留を被疑者勾留などと呼ぶことがあります。
被疑者勾留においては、最初10日間、延長されて更に10日間、最大20日間の身体拘束を受けることになります。
この期間、被疑者や関係者への取調べや証拠物の収集などの捜査が行われます。
そして、勾留期間が満了になるタイミングで、検察官は、被疑者を起訴するかどうかを判断することになります。

2 勾留の要件とは

勾留の要件とは、勾留の理由と必要性に分けられます。
勾留の理由とは、①定まった住居を有しないこと、②罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があること、③逃亡し、または逃亡すると疑うに足りる相当な理由があることをいい、いずれかに該当する場合であっても、勾留の理由があるとされます。
また、勾留の必要性は、勾留の理由があったとしても、身体拘束をする必要性と勾留により被る不利益を比較し、前者が大きい場合、認められます。
このように勾留の理由があり、必要性がある場合には、被疑者は、勾留されることになります。

3 勾留を回避する方法

被疑者勾留は、検察官が裁判所に対し勾留請求を行い、それに対し、裁判官が勾留するかどうかを判断します。
そこで、勾留の理由がないことや必要性がないことを主張して、検察官に対し勾留請求すべきでないと交渉をすること、裁判官に対し勾留すべきではないと交渉することが考えられます。
具体的には、既に収集すべき証拠は収集済みであることから、罪証隠滅のおそれがないことを主張したり、被疑者には身元引受人を申し出ている家族がいることから、逃亡のおそれがないことを主張するということが考えられます。
また、勾留された場合でも、一度、裁判所に不服を申し立てる手続もあります。

4 脱税事件の特殊性

脱税事件においては、まず、事件関係者が多いことが想定されます。
事件関係者とは、共犯者だけではなく取引先や従業員など、今回の脱税に関わる人が含まれます。
事件関係者が多いということは、仮に、被疑者勾留をせずに釈放した場合、そうした事件関係者に接触し、口裏合わせをする可能性が高く、結局、これが、罪証隠滅のおそれに該当することになります。
また、脱税した額などによっては、初犯でも実刑の可能性がある事案があります。
そうした事案においては、実刑を免れるために、先ほど説明したような罪証隠滅行為に及んだり、逃亡を図ると判断され、勾留されるという判断もあります。
一方で、脱税事件においては、可能な範囲で早期に税金を納めていくということが重要となりますが、それを実現するためには、逮捕されている被疑者が対応することが不可欠な事案もありますので、釈放の必要性もあります。
また、これは脱税事件に限りませんが、幼い子どもを抱える家族であったり、被疑者自身が持病を抱え、勾留すると大きな不利益を被る場合もあります。
先ほど説明したようなことからすれば、事件関係者が少ないような事案や、実刑を回避できる可能性が高い事案には、早い段階で検察官や裁判官に交渉をすることで勾留を回避できる可能性もあります。

5 最後に

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、脱税事件に強い弁護士が所属し、所得税法違反、法人税法違反など多数の事件を取り扱っています。脱税事件の容疑を掛けられ、逮捕された方、その親族の方は、初回の相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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