一人親方の脱税とは?よくある手口や発覚する理由、刑事リスクを解説

土木作業

一人親方として働いている方の中には、元請けから報酬を受け取っているものの、確定申告経費計上のルールを十分に理解しないまま仕事を続けている方も少なくありません。
しかし、一人親方個人事業主である以上、所得税消費税などの申告・納税義務を負います。
申告をしなかったり、売上を少なく申告したりすれば、加算税延滞税だけでなく、悪質な場合には刑事責任が問題となります。

今回は、一人親方の定義、一人親方に多い脱税の手口、発覚のきっかけ、一人親方が普段から気を付けるべき点について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

そもそも一人親方とは何か

一人親方とは、労働者を使用せずに、自らの責任で仕事を請け負って事業を行う人をいいます。
建設業や土木業などで多く見られ、広い意味では個人事業主の一種です。
もっとも、一般の個人事業主と比べると、業種が限られていることや、従業員の雇用日数に制限があること、労災保険の特別加入が認められることなどに特徴があります。
そして、一人親方であっても、開業届の提出や確定申告、納税の義務がある点は通常の個人事業主と何ら変わりません。

事例

内装業を営む一人親方のAさんは、年間で多額の収入を得ていましたが、取引の多くが現金手渡しであったことから、申告しなくても発覚しないだろうと考え、数年にわたり確定申告をしていませんでした。
しかし、取引先企業に税務調査が入ったことで、Aさんへの支払いが判明し、Aさん自身にも税務調査が行われることになりました。
一人親方脱税は、現金取引だから発覚しないとは限りません。
取引先への調査や銀行口座の確認などから、売上や収入の流れが明らかになることがあります。
(事例はフィクションです。)

一人親方に多い脱税の手口

一人親方脱税で典型的なのは、確定申告をしない無申告です。
これに加えて、売上の一部を帳簿に載せず実際より少なく申告する過少申告や、私的な飲食費や買物代まで経費に入れる経費の過大計上もよく問題になります。
さらに、課税売上高が1000万円を超えると消費税の納税義務が生じるため、その基準を超えないように売上を調整するケースもあります。

このような行為は、所得税だけでなく、消費税住民税個人事業税にも影響するため、結果として脱税額が大きくなりやすい点に注意が必要です。

偽装一人親方が招く税務上の問題

一人親方に関する問題では、偽装一人親方にも注意が必要です。
これは、本来は会社の指揮命令下で働く労働者であるにもかかわらず、形式上だけ請負や業務委託として扱われている状態をいいます。

この場合、会社が支払っている金銭は外注費ではなく給与と評価される可能性があります。
給与と判断されれば、会社には源泉徴収義務が生じ、外注費計上や消費税の処理も問題になります。
一人親方本人だけでなく、元請けや会社側にも所得税法違反などの危険が及ぶため、契約書の形式だけでなく、実際の働き方まできちんと整えておくことが重要です。

なぜ脱税が発覚するのか

一人親方脱税が発覚するきっかけとしては、取引先への税務調査、反面調査、銀行口座や資産状況の確認、第三者からの情報提供などがあります。
反面調査とは、税務署が調査対象者だけでなく、その取引先や関係先も確認して、取引の実態や金額を把握する調査です。
たとえ本人が帳簿を十分に作っていなくても、取引先に残る支払記録や振込履歴から売上を把握されることがあります。

また、申告所得に比べて不自然に高額な不動産購入などがあると、税務署に目を付けられることもあります。

現金商売だからばれないという考えは非常に危険です。

一人親方が気を付けるべき点

一人親方が気を付けるべきなのは、まず開業時から帳簿や請求書、領収書、通帳履歴をきちんと残すことです。
そのうえで、毎年の確定申告を期限内に行い、売上を漏れなく計上し、経費は仕事に関係するものに限定する必要があります。
もし申告漏れ無申告に気付いた場合には、そのまま放置せず、できるだけ早く修正申告や期限後申告を検討すべきです。
早めの対応は、加算税の負担や悪質性の評価に影響することがあります。

また、元請けとの関係が実質的に雇用に近い場合には、偽装一人親方と疑われないよう、契約内容や就労実態を専門家に確認してもらうことも大切です。

まとめ

一人親方脱税問題は、単なる申告ミスとして終わらず、税務調査、加算税、重加算税、さらには刑事告発へ発展する可能性があります。
特に、無申告が長期間に及んでいる場合や、売上隠し偽装一人親方が疑われる場合には、早い段階で専門家に相談することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、一人親方に関する税務事件や刑事事件について、事案に応じた相談対応を行っています。
税務署や国税局への対応、刑事告発の回避、今後の申告体制の整備まで見据え、不安を抱える方をサポートしています。

一人親方脱税問題でお悩みの方は、早めにご相談ください。

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