KSK2とは?新国税総合管理システムによる税務調査の変化と対策を解説

税金

1 KSKとは

国税庁のKSKというシステムをご存知ですか。

KSKとは、全国の11国税局1事務所と524の税務署のPC端末等にネットワークで繋がった、申告事務、調査、滞納処分に重要な役割をになってきた国税総合管理システムのことです。このシステムは、平成7年から導入が始まり、平成13年には全国で運用されるようになっていきました。既に導入から30年以上が経過し、その間に、膨大な量の法人・個人に関する情報が蓄積されてきました。

それらのデータは、申告書や届出書はもちろん、給与や報酬、不動産や株、金の取引、過去の税務調査の資料、金融機関口座情報、外国送金情報など多岐に及びます。KSKが導入されて以降、こうした巨大なデータバンクに蓄積されたデータを分析し税務調査や滞納処分などに活用するということで広く利用されてきたのであり、それ以前に、手作業からみたら格段の進歩を遂げてきたわけです。

2 令和8年秋から導入される予定のさらに強力なKSK2

これまでに説明したようにKSKは、それ自体で、国税当局にとって強力な武器ともいえるものでしたが、そのKSKがさらなる進化を遂げ、令和8年秋には、満を持して、KSK2が導入されることとなっています。

従来のKSKとKSK2の違いには、以下のようなものがあります。

⑴ 金融機関等の外部データの取り込みが可能となる。

従来のKSKは、取り扱うデータの機密性の高さから外部と隔離されていましたが、KSK2では、インターネットから外部データを取り込み、調査先等からノートPC等で直ちに金融機関等に対する預貯金等のオンライン照会を行ったり、地方の税務当局とのデータ連携が行われるようになります。したがって、場合によっては、銀行調査や反面調査などが調査の現場で速やかに次々と判明していくことも可能となっていきます。

⑵ 税目別・事務系統別のDB・APの統合・縦割りシステムの解消

各税務署では、個人課税部門、法人課税部門、資産課税部門の税目ごとに縦割りの組織になっており、従来のKSKシステムでは、担当の税目以外の税目を簡単に閲覧することができないシステムになっていました。しかし、KSK2の導入により、各税目の情報を横断的に速やかに確認することができるようになります。その結果、個人・法人・資産の連携したより実態に見合った総合調査が今まで以上に行われていくことが考えられます。

⑶ AIによる分析の強化

電子データだけでなく、ペーパーベースもAI-OCRによって文字情報を読み込み、これまで取り込んだ蓄積データに加え、外部から取り込んだデータを、AIが総合的に分析し、悪質脱税事案や申告漏れの可能性が高いなどとして調査のターゲットが容易に絞り込まれるようになります。こうして絞りこまれた調査のターゲットについて、システムを通じて、ネット上の商品購入履歴、暗号資産やネットによる収入等のあらゆる情報が事前に速やかに入手分析され、実際の実地調査までの間に、相当量の情報と分析がされるようになります。

以上のように、KSK2は従来のKSKに比べ、格段に進化したシステムとなっており、税務調査、滞納処分等ますますもって逃げ場のない様相を呈してきています。

3 KSK2に対する対策

こうした強力なシステムであるKSK2に対抗していくためには、電子取引データや領収書などの根拠資料の保管の徹底、税目を横断して申告内容に矛盾等がないかなどのセルフチェックや専門家によるチェック、適時適切で適法な資産管理などがとても重要になります。

万が一、税務署から調査を受けるなどしたときは、もちろん、国税局からの調査査察が入ったら、その時点で、相当に調査が進んでいると考えられますので、できるだけ早めに、調査査察に強い税理士・弁護士に相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした税務調査・国税局の査察調査等に精通した弁護士や提携している国税OBの税理士がいますので、こうした事態に適切に対応することができます。

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