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1 軽油にかかる税金
運送会社等で使用されるトラックはディーゼルエンジンを使っているものが多いですが、ディーゼルエンジンの燃料は、いうまでもなく軽油です。
軽油には、軽油取引税という税金が課せられています。この軽油取引税は、令和8年3月までは、1リットル当たり32.1円でしたが、同年4月1日以降、1リットル当たり15円となっています。このように軽油には、高率の軽油取引税が課せられているため、二重課税にならないように消費税は不課税とされています。
他方で、重油や灯油には、軽油取引税のような税金はかかりません。
これに目をつけて、高率の軽油取引税を免れるために敢行されるのが、不正軽油等による脱税です。
2 不正軽油等による脱税の手口
⑴ 正規の軽油に灯油や重油を混入させてカサ増しをして不正軽油を製造して販売する手口
石油販売業者が自社のタンク内などで軽油に灯油を混入して不正軽油を製造し、数百万リットルの不正軽油を一般の運送業者等に格安軽油として売り捌き、数億円規模の軽油取引税を脱税した事案などがあります。
⑵ 重油をそのまま給油する手口
建設業者や運送業者が自家給油所に重油を買い入れ、自社のダンプカーやトラックに日常的に給油していた事案などがあります。
このようなケースは、都道府県による抜き打ちの工事現場軽油抜取調査や路上調査で、燃料の成分から重油特有の識別剤であるクマリンが検出されて摘発されます。こうした摘発を受け、過去の燃料仕入の履歴等が調べられて高額の追徴課税がなされることもあります。
⑶ 免税証の不正取得・目的外転用
農業、漁業、船舶、一部の鉱物採掘などの事業者は、法令で軽油取引税の免税が認められています。この免税制度を利用して、実際には農業や船舶等で使用してないにもかかわらず、虚偽の申請を行って免税証を不正に取得し、税金のかからない軽油を仕入れて、それを営業用のトラックなどに給油したり、他社に横流しをして販売するなどして利益を得ていた事案もありました。
このような事案は、単に軽油取引税の脱税だけでなく、免税証の不正取得に関し、文書偽造等の犯罪が成立する可能性もあり、より重い刑事責任が課せられる場合があります。
3 不正軽油等による脱税事案への対応
こうした不正軽油等による脱税などの事案は、単に税金逃れということだけではなく、不正軽油等を使用した車両に深刻なエンジントラブルを起こし廃車に追い込む原因にもなりかねませんし、不正軽油等からの排ガスによる環境汚染など様々な社会問題を生じていることから、社会的にも厳罰が求められています。
不正軽油等の使用などに知らず知らずのうちに巻き込まれた、あるいは共犯としてかかわってしまったなどの場合は、速やかにこうした事案を多数扱っている当事務所の弁護士に相談をするなどし、適切に対応されることをお勧めします。
